1.参考文献 (1).「地形の意味に 関する研究」(笹谷康之立命館大学教授の論文・平成2年) (2).「水戸八景」( 堀口友一茨城大学名誉教授著・平成3年崙書房刊) 天保当時の各八景への行き方や風景などが詳しく書かれています。(下記参照) (3).「水戸八景碑」( 但野正弘水戸史学会理事著・平成9年錦正社刊) 八景の石碑について詳しく考証されています。 (5). また幕末の水戸藩の歴史について述べた著書として、 「流星の如く」(瀬谷義彦・鈴木瑛一著・平成10年NHK出版)が薦められます。 (6).ほかに史跡・事蹟などの説明は、 「水戸の道しるべ」( 水戸史学会編・平成5年展転社刊)、 「新版茨城県の歴史散歩」(1985年山川出版社刊)、 「新版茨城県の歴史」 (1997年山川出版社刊) 「旧水戸街道繁盛記」 (山本鉱太郎著・平成8年崙書房刊) などによりました。 (前に戻る)
2. 天保・安政当時の水戸城下町・街道と現在の比較の地図 をクリックすると見る事ができます。 3.水戸徳川家の系図 をクリックすると見る事ができます。
4. 天保当時の八景への行き方と風景 (1).青柳夜雨:行き方.田見小路より大坂(現水戸二高西)を下り、那珂川の渡しを青柳に越える。 岸を上り、左側の鹿島香取の社の境内の中ほどを左下に下りると、畑の傍らの柳の下に 「 青柳夜雨の碑」がある。上町の家屋敷から約18町( 2キロ)ほどである。 風景. 那珂川を隔てて城下の台地が連なり、右に愛宕の森を越えて遥かに筑波嶺を望む。 水豊かな那珂の流れと碑にかぶる枝垂れ柳に夜雨の静寂を偲べるであろう。 元に戻る
(2).山寺晩鐘:行き方.青柳より棚倉街道を額田にとり、久慈川の舟渡を渡り、河合・磯部に広がる 田圃を両側にして、太田の町外れ木崎より左に折れ稲木にある久昌寺の下にいく。西山を 壇林に上るとその南崖端に「山寺の晩鐘の碑」がある。青柳から4里半(18キロ)の行程である。 風景.義公(徳川光圀)隠居の地西山荘に近く、六つ時に鳴る古寺の鐘の音は阿武隈に つづく山の谷間に静かに響いたことであろう。 元に戻る
(3).太田落雁:行き方. 西山を下り、西側から太田の台地に上ると町並みにはいる。27町(約 3km) ほどして、栄町東側の崖面斜面にある「落雁の碑」に着く。 風景.東に阿武隈に連なる真弓の山並みを望み、前面に里川低地の水田が開ける。 稲の穂波の見えるところまさに芳洲であろう。刈田に落ちる雁の群れは、この地 ならではの絶景であろう。 元に戻る
(4).村松晴嵐:行き方. 落雁の碑を後にして太田の街の本通りを南に出る。往路を久慈川の 渡しに帰り、額田の宿を東に折れ、散見する人家や林を抜けると石神の二軒茶屋に出る。 ここから南東に真崎へ道を取ると村松の虚空蔵尊に着く。 太田からの道のりは4里余り(約17km)である。本堂と裏の大神宮に詣で、 社に向かって左手を裏山の砂丘に上れば、「村松晴嵐の碑」がある。 風景.前方の緩やかな斜面に茂る数々の松は、晴れた日、海風に大きく 鳴り響くであろう。村松の地が水戸八景巡りの半ばの行程である。 藩士達は虚空蔵尊門前の茶店に腰をおろし、弁当を解いて食事をとり、 しばし休憩したであろう。 元に戻る
(5).水門帰帆:行き方. 虚空蔵尊の門前町を後にして南に森前を過ぎると畑が広がり、 左に松林を望む。馬渡の部落から原、十三奉行を通り、湊の和田上に着く。 この行程は4里(16KM)ほどである。 台地の崖端に「水門の帰帆の碑」がある。 風景.碑の立っている前面に漂渺とした太平洋を望む。夕凪の海に 漁より帰る船の白帆の舞う風景は、彼方に見える御殿山の「いひん閣」に 映じたであろう。 元に戻る
(6).岩船夕照:行き方. 和田上より湊の街を西にとり、那珂川の河口を渡して 祝町に越える。坂を上り右手に入ると、和田上から18町(2KM)ほどで 岩船山願入寺に着く。寺の西側裏手の坂を下りると「岩船の夕照の碑」 がある。 風景. 碑のある場所から眼下に那珂川と涸沼川の合流する深淵が 青く、常北の平野の遥か彼方に八溝と筑波の山嶺が連なる。山嶺に傾く 夕照は霞光爛漫であろう。 元に戻る
(7).広浦秋月:行き方. 祝町より磯浜を経て涸沼に向かう。涸沼川の渡しを 平戸に越え、塩ヶ崎を左に折れ大場、下入野、前谷と台地下の道を 下石崎の長洲に至る。「広浦の秋月の碑」がある。 願入寺を出て3里27町(15km)の道のりである。 風景.長洲の東端に松の古木が茂り、碑の傍から西に漂渺と する広浦の景は秋月が絶佳であろう。 元に戻る
(8).遷湖暮雪:行き方.長洲から親沢鼻、東永寺、船渡へと涸沼の北岸を 西にたどれば 水戸街道に出る。長岡から御茶園に通ずる千波の 近道を選べば、4里余り(17km)にして偕楽園に着く。 園庭の南崖斜面に 「仙湖暮雪の碑」がある。 風景.偕楽園より望む千波湖は遥かに柳堤の美を加え、 鬱蒼とした緑岡を湖面に映じ、暮雪の風趣は格別であろう。 元に戻る