高鈴山は標高623.3mで山頂からは東に太平洋、南は筑波山、西は那須連山、北には阿武隅山脈と360度の展望を十分に堪能できる。
石尊山、神峰山、高鈴山及び風神山まで連なる準平原化した山なみからの眺望はすばらしく、西には八溝山地を隔てて遠く那須連山が霞み、東には日立の市街地と太平洋が広がる。南は東海村から大洗の沿岸線、鹿島灘までが一望できる。これらの山々は日立市、常陸太田市、十王町の市街地から近いため、それぞれ山頂へのハイキングコースが整備されている。
高鈴山に源を発し、日立の市術地を横切って太平洋に流れ込んでいるのが鮎川。全長11キロほどの小さな川だ。かつては諏訪鉱山の鉱毒水で長く死の川だったが、閉山後、地元住民の努力で清流がよみがえり、サケも上るようになった。
市内の川の中では、コンクリート護岸が少なく、最も自然に近い状態が残る。昭和48年、「鮎川をきれいにする会」が結成され、年に二回、川の一帯清掃をするなど、川をきれいにする活動が続けられている。
高鈴山周辺の文化景観としては諏訪神社・諏訪梅林・御岩神社・真弓神社などがあり、また近隣の「かみね公園」や「奥日立きららの里」は、市民の憩の場として親しまれています。
出典:茨城の自然100選 朝日新聞水戸支局編 平成元年6月19日発行 筑波書林
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