日立の徳川家史跡1

川尻港


 川尻にある 蚕養(こがい)神社は日本最古の養蚕の神社と云われている。
昔小貝浜沖の磯に神が姿を現したので、里人は上子山に社殿を造り 祭ったと伝えられている。
ここには金色姫の伝説があり、 古くから養蚕の祖神として信仰され、 県内はもとより、近県からたくさんの養蚕農家が参詣に訪れた。
光圀は寛文13年(1673)川尻を訪れた際ここに詣で、元禄5年(1692)には 常陸35社のひとつに列している。
川尻港では光圀は船から鰹漁を見たという記録が残っており、肉醤(たたき) という鰹から作った塩辛は水戸家から将軍家へ献上されていた。
川尻港は風光明媚で茨城百景のひとつに選ばれている。


蚕養(こがい)神社              茨城百景碑

 川尻港の南側に矢筈山と呼ばれた小山があった。
徳川時代後半の文化文政期にはこの辺りにも異国船がしばしば現れたので、 文化5年(1808)7代藩主治紀の時ここに遠見番所を置いて監視・防備に当たった。
そのため御番山と呼ばれるようになった。ここからは太平洋が良く見える。
今では蚕養神社と共に川尻八景に選ばれている。


川尻御番山                     川尻港遠景

参考文献:「豊浦ふれあいマップ」

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