6号国道の鮎川北の信号より、山側に入り、鮎川に沿って車で10分ほど走ると 滝平に入る。今は廃屋ばかりで、人通りの少ない道端に
如意輪さんと並んでお地蔵さんが立っている。いや座って一休みしているようだ。
光背には「享和元酉年(1801年)十一月吉日、右町屋村道、左妙見山道」と有り、
道しるべも兼ねている。妙見山とは聞きなれない山の名だが、 常陸太田市の里川沿いにあると言う。
古来の妙見信仰の
山の名であり、妙見さまは 馬の神様、目や水の神様としてお参りされているようだ。 [信仰の道しるべ] である。歩くことで用を済ませてきた、昔の人々の思いやりの心を感じる。
風雨に晒されながら、多くの人々を迎え、見送り、多くの季節の移り代わりを、ご覧になったことだろう。ちょっと尋ねて見たくなる。
錫杖をつきながら、庶民の苦しみを救うために、どこまでもやってくるお地蔵さんは、昔も今も、もっとも親しみの持てる仏様のように思う。
(出典:日立の石仏散歩。ひたち野仏の会編)
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