十王前(かんぶり穴)横穴墓群

 十王前横穴墓群(通称:かんぶり穴)は十王川に面する丘陵の西斜面にあり、29基の横穴墓が確認されています。
 横穴墓とは、古墳時代の墓制の一つで、丘陵の斜面に横穴を掘って墓とするものです。この横穴墓群は、玄室(げんしつ)(墓の内部)の規模が大きく、奥室が台形で、石を敷きつめた一段高い床面を設けた横穴墓が多数存在することですが、最大の特色は、玄室の壁面に、三角形や菱形、靫(ゆぎ)(矢を入れるもの)などの文様が線で刻まれ、それらが赤色や黒色などに彩色された三基の装飾横穴墓が存在することです。
  装飾横穴墓や装飾古墳は、九州地方に数多く分布しており、この横穴墓群も、九州地方との関連性が考えられます。

  十王川流域と河口周辺の海岸地域には、他にも多くの古墳、横穴墓があります。それらは、川尻町、日高町、小木津町、折笠町、田尻町、滑川町に見られます。
 

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