第十一話 会瀬の捲づくり

 初崎の岬から北側は砂山があり南側はがけの下まで海でした。がけの下に初崎橋があり、船入り海岸と駅方面を結ぶ道路がありました。今の海水浴場の船入り海岸は砂浜は少ないながら波静かな入り江で磯遊びや海水浴場としてたいへん良い場所でした。
 風や波があるときの漁船の入港は危険が多く船がてんぷくする事故がよくありました。

 昭和二十五年ごろから安心して漁業ができるようにと港を整備することになりました。初崎の磯から岩石をとり堤防をつくり、ふるくからあった月島のていぽうとつながりました。
 堤防ができていくと潮の流れが変わりました。潮の流れとともに砂が移動して磯を埋め今までの海が砂浜になってしまいました。初崎海岸は砂浜が大変広く子どもたちの野球場でもありましたが、だんだん砂浜が狭くなってしまいました。港の中にも砂が人ってきて浅くなりました。浅くなった港を埋め立てて会瀬青少年の家やグランドをつくりました。水揚げ場や網千し場や作業場もつくり今のようになりました。

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