滑川八景

7.烏ヶ沢の夜雨


      賤が家の 灯かりほぐらき 烏沢
            いと静かなる 夜の雨かな

 烏ヶ沢は小保内の南側の宮田町と接する 沢地と思われます。
「かすかに灯かりが洩れる貧しい一軒家に 夜の雨がしとしと降り、今日一日も終わろうと している。中には何人の家族がひっそりと 住んでいるのだろうか。」 というさびしい情景が想像されます。
今は日立駅方面に走る車のヘッドライトが 眩しく、昔の面影はまったく感じる事が できません。



8.六所の暮雪


     山の端に 夕ぐれそめて ふる雪に
          六所の木々は 六の花さく

 滑川公民館の西側の台地の中に、うっそうとした社の 森が見えます。
境内も広く、ゆったりとした参道の奥に 塩釜神社が鎮座しています。
祭神は六神であるため、六所明神ともいわれ、地域の 信仰の中心であったといいます。
「夕暮れの雪景色の中で、境内の木々にはさまざまな 形のまるで花の咲いたような白い雪が積もってとても 美しい。」と、六所の四季はみなそれぞれに趣き深い 内で、歌人は冬を一番印象的に捉えています。
このあたりは今住宅が建ち並び、狭い進学路を子供 達が急ぎ足で通っています。

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