藤田東湖の詩碑
 嘉永6年(1853)に水戸藩の藤田東湖が河原子を訪れたとき 津神社・社頭にて詠んだ七言絶句を、明治41年(1908)に門人 香川敬三が親書し、町の有志によって建碑されたもので、烏帽 子岩の中腹に、東に面して河原子八景『津の宮帰帆』の碑と並 んで建っている.
 碑文は次のように刻まれている。
  眼 界 東 窮 亜 墨 州      千 尋 絶 壁 是 吾 樓
  がんかいひがしにきわまるあぼくしゅう      せんじんののぜっぺきこれわがろう

  世 間 富 貴 王 侯 楽       不 換 先 生 一 日 遊
  せけんのふうきおうこうのたのしみ       かえずせんせいいちじつのあそびに
「高い絶壁の烏帽子岩のほとりを料亭の代わりに飲んでいると、世間の金持ちや王侯貴族の楽しみなどくらぶべくもなく、ここから眺められる太平洋の東のかなたには、アメリカがあるのだと思うと、身の引きしまる思いがするが、ままよ今日一日は悠々と飲むことにしよう。」【瀬谷義房先生の解釈文。『ひたち史余話』より】
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