大平田鉱山の普賢菩薩

 鮎川に沿った太平田鉱山事務所の反対側の急な石段を上って行くと、山神様が祀られており, そこに普賢菩薩の石仏がある。普賢菩薩は象に乗り合掌した姿の石像が多い。しかし、大平田鉱山の普賢菩薩は、 左手に蓮花を持ち、右手は人差し指と中指を出している。
何故ここに普賢菩薩なのか。「水府志料」と言う江戸時代の地誌によると 、現在の太平田のどのあたりか、はっきりわからないが、「本くるみ沢」と言うところに普賢岳という山があったらしい。 その山の石壁の中段に、仏像のようなものが祀られていたそうだ。
 太平田鉱山が昭和11年に石灰石採掘に着手し、山を崩すうちに、 普賢岳も崩してしまった。当然その痛みもあったのだろう。その山の名にちなんで、「昭和12年3月」普賢菩薩を祀った。 そして毎年4月3日にはお祭りをするそうである。

(出典 日立の石仏散歩 ひたち野仏の会編)



普賢菩薩


山神さま




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