災害時の情報通信で思ったこと
   

内藤 達郎 
2012.4   


 3月11日の大地震直後。自分や家族の安全を確認して「生きててよかったね」が最初の実感。
近所の人たちと声を掛け合い家に戻ってみたら電気、水道、ガスのラフラインが止まってました。
どのあたりが震源なのか、ほかの地方はどうなっているのか?知り合いへの連絡は?知りたいことがいっぱい。

 まずは携帯電話。どうせ無理だよな。やっぱり。
携帯のメールは何回に1回はつながりそうだ。うん、基地局、回線は生きている。

 ラジオはしばらく使ってなかったのどこに置いてあるかもわからない。
お向かいの家では自家用車でワンセグテレビを見ている。あ、デジタルテレビは生きているんだ。

 庭にガソリン発電機を持ち出して運転。たまたま野外で使用した直後だったので、問題なく起動。テレビ、インターネットのモデム、パソコンに電源を送る。
 発電機の燃料はガソリンを10リットル缶に保存してあったので大丈夫。

 衛星テレビは見ることができた。地上波デジタルも見られる。東京は地震の影響はないんだな。津波の襲来もリアルに中継されてる。

 光回線、光電話も大丈夫。NTTのネットは健全なんだ。さすがと感心。
 早速、ハワイにいる息子夫婦に「津波がゆくよ、気を付けて」とメールで連絡。

アマチュア無線で仲間と連絡を取ろうとするが、なかなか連絡が取れない。多分自分自身のことで余裕がないんだろう。

 翌日もインフラは同じ状態。メールでは連絡が取れるようになってきた。停電中なので、継続で発電機を回す。燃料を長持ちさせるため、時々止める。

 3日目はまだ停電中。地上波テレビは中継局の非常用電源が切れたのか停波。携帯も基地局の非常用電源が尽きたようでストップ。衛星テレビだけが健在。
 夜になってようやく電気だけが復旧しました。

 テレビは全国情報が主体で、茨城県、ましてや日立市の情報はほとんどありません。
 ローカル情報の入手に役に立ったのはインターネットでした。

 真新しいローカル情報は「茨城新聞ツイッター」「SaveIbarakiのツイッター」が早かったです。「ツイッター」情報はいつも眺めてました。非常時には利用価値が大きいです。ただ、情報は自分なりに選別が必要です。

 地方自治体のホームページは情報の速さ、精粗でそれぞれ差があって、残念ながら当市のページはお世辞にもよかったとは言えません。他市並みのレベルにな るには2週間ぐらい経過した後。それも災害対策本部発表のデータを更新するというもので、公式文書になってからの発表です。

 近隣他市ではページは随時更新、関連リンクも同じ場所から飛べました。日立市のページからは例えばガスの復旧状況を調べようとするとリンクがなくて東京ガスで検索しなおすという手間がかかりました。このあたりも今後は改善してほしいところ。

 茨城県の放射線情報のページは以前から知っていましたから、時々見ていました。ここにも当初は日立市のページからのリンクはなかったと思います。北茨城市には臨時に放射線測定器が設置され、北茨城市のページでは10分ごとにデータが発表されていました。

 今回の教訓として、「発電機を持っていたこと」が一番助かりました。その後毎月11日には発電機のテスト運転をしています。
 そして、非常時には、自治体は市民が知りたいこと早く知らせるために多様な情報媒体を臨機応変に活用すべきだと感じました。
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