傘寿

吉田  稔
平成29年12月
高校を1957年に卒業して60年になる。毎年、同期会が開催される。
そのほかにクラブ活動の有志などで会をつくり、年に2回ほど集まる。
今年も11月末の昼時、日本橋のレストランに7名が出席して歓談した。
 宴たけなわに、メンバーの一人から、世間では「傘寿」という祝いをするようだ。
我々もそろそろ当てはまるので、次回は盛大に祝おうと提案された。1938乃至1939年生れでは尚早ではないかとの異論もあったが、おおかたの賛同が得られた。
 帰宅して調べたところ「傘寿は数え年で80歳の祝い」とあり、満年齢の頭で考えていた懸念が雲散した。来年5月に予定される次回の会場は、銀座の店を予約する運びとなった。
 我々のように慣習にうとい西暦・満年齢世代のために、長寿祝いの表を書き留めておこう。
 
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長寿の祝い(すべて数え年) : 賀寿(がじゅ)。 寿賀。
 
六十一歳: 還暦(かんれき)。本卦還り。干支が60年で一めぐりすることから。
六十一歳: 華甲(かこう)。還暦の異称。「華」の字が6個の十と一に分解できることから。
七十歳 : 古希・古稀(こき)。杜甫の詩の一節「人生七十古来稀なり」から。
七十七歳: 喜寿(きじゅ)。「喜」の字の草体が「七十七」に分解できるところから。
八十歳 : 傘寿(さんじゅ)。「傘」の略字が「八十」と読めることから。
八十一歳: 半寿(はんじゅ)。「半」の字が「八十一」に分解できることから。
八十八歳: 米寿(べいじゅ)。「米」の字を分解すると「八十八」になることから。
九十歳 : 卒寿(そつじゅ)。「卒」の俗字体が「九」と「十」に読めることから。
九十九歳: 白寿(はくじゅ)。「百」の字から「一」をとると「白」になることから。
百歳(または 最上位): 上寿(じょうじゅ)。
 
(出典: 集英社国語辞典 横組版 )