台湾のナツメロ
 石名坂町 松井 昌夫
 最近、大地震で注目を浴びている台湾であるが、私は平成元年に仕事で初めて訪れ、 その自然の美しさと人情の暖かさに感銘した。仕事は三年間にわたり延べ七ヵ月の 駐在期間があったが仕事上言葉を覚える必要に迫られた。台湾では国語として 北京語に近い中国語と、方言である台湾語が日常生活で話されており、特に現地の 作業員との接触には台湾語が多用される。
 台湾語を覚えるのに一番効果があったのはカラオケであった。台湾のカラオケ(KTV と呼ばれている)には、国語、台湾語の他に日本語の歌が完備しており、現地の人と の交流にはもってこいの場所である。ここで聴いた台湾語のナツメロは日本のナツ メロにも共通する親しみ易いメロデイがあり、たちまちとりこになって、テープや CDを買い集めた。歌詞の中には日常会話でよく使われる文章が多く、メロデイが伴 うと意外にやさしく覚えられる。 現在の台湾の歌謡界は国語曲と台湾語曲とに大きく二分されており、それぞれに 有名な歌手が居り 、日本のポップスと演歌との関係によく似ている。
 台湾語の歌には 日本の演歌に共通するものが多い。パソコンの音楽関係ソフトの進歩のおかげで、今ではこれらの曲をすべてMP3ファイル に変換して気軽に楽しめるようになった。一曲約3MBに納まるので、230MBのMO一枚 に80曲近くも入り、CDやカセットテープなどのように交換の煩わしさがなく、 長時間のBGMとしてリラックスするのに最適である。

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