"命の水”として役だった日立の湧水
泉が森湧水
                                                       宇梶 秀夫 まとめ
 日立市の国道245号線は太平洋の海岸に沿って南北に走っています。その一部、水木町では大きくカーブして海から離れて内陸に入り込んだところがあります。まるで国道が泉が森に牽き付けられているようでもあります。ここは国道の信号から約200メートルのところで、奈良時代に編纂された常陸風土記に清らかな泉「大井」と記録された湧水が、今も変わらず青白い砂をまきあげながら出ています。
 3月11日の東日本大震災の後、水道の断水の日が続き多くの市民は水の確保に労力を割くはめになりました。この断水の間、泉が森の水源は大きく貢献しました。飲料水として活躍したのは泉が森公園内の鴨のモニュメントの吐水口から出る湧水でした。その湧水は地下深くボーリングした井戸のもので、水質検査は年1回実施していて飲料可だそうです。泉が森の泉神社の境内の昔「大井」と云われた泉からの湧水は、水洗やお風呂等の用水として活躍しました。
 泉が森では断水の間、昼夜を問わず行列の絶えることはありませんでした。
 
被災した泉神社鳥居
 
泉神社湧水の池とその中の弁天様
 
泉神社湧水は池底から湧きあがっています

泉が森湧水は「平成の名水百選」に選定されました
 
鴨のモニュメントの吐水口、左手に泉が森

湧水は淡水魚「イトヨ」の池やスイレンの池に流れます 


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