日立の桜
(「日立市さくらのまちづくり市民会議」の資料から一部転載したものです)
私の好きな地域の桜
平成11年5月15日まで市内各コミセン、公民館、小学校等で「私の好きな地域のさくら22選」の投票を実施した結果、658票の投票がありました。市内22地区(坂本、東小沢学区は1つの地区とします。)各地区ごとに得票数が1位である「さくら」を「私の好きな地域のさくら22選」といたしました。この機会に、皆さんの住んでいる地域(小学校区)の身近なさくらを、もう一度見つめ直していただき、私たちに感動を与えてくれる「さくら」をいつまでも、いつまでも地域の方々でどうか大切に育ててください。来年の春には、この22選のさくらを散策してみてはいかがでしょうか。
No. |
地区名 |
名称 |
所在 |
1 |
豊浦地区 |
十王川周辺の桜 |
川尻町4丁目10番地内 |
2 |
日高地区 |
日立電線日高工場周辺の桜 |
日高町5丁目地内 |
3 |
田尻地区 |
田尻小学校の桜 |
田尻町4丁目39番地内 |
4 |
滑川地区 |
滑川小学校の桜 |
滑川本町1丁目20番地内 |
5 |
宮田地区 |
とのうち児童公園の桜 |
東町2丁目3番地内 |
6 |
仲町地区 |
熊野神社の桜 |
白銀町1丁目1番地内 |
7 |
中小路地区 |
中小路小学校の桜 |
平和町2丁目4番地内 |
8 |
助川地区 |
助川小学校(四代桜) |
助川町2丁目15番地内 |
9 |
会瀬地区 |
会瀬グランドの桜 |
会瀬町4丁目2番地内 |
10 |
成沢地区 |
日立工業専修学校の桜 |
西成沢町2丁目17番地内 |
11 |
諏訪地区 |
石内の桜 |
諏訪町4丁目地内(日製石内社宅内) |
12 |
油縄子地区 |
桜川緑地の桜 |
桜川町3・4丁目地内 |
13 |
大久保地区 |
大久保小学校の桜 |
末広町1丁目1番地内 |
14 |
塙山地区 |
塙山小学校の桜 |
金沢町2丁目14番地内 |
15 |
河原子地区 |
さくら通り(1日多賀工場汽車門・正門前)の桜 |
東多賀町・国分町 |
16 |
金沢地区 |
金沢小学校の桜 |
金沢町5丁目2番地内 |
17 |
大沼地区 |
大沼小学校の桜 |
東大沼町2丁目1番地内 |
18 |
水木地区 |
水木小学校の桜 |
水木町1丁目6番地内 |
19 |
大みか地区 |
まえはら児童公園の桜 |
大みか町2丁目11番地内 |
20 |
久慈地区 |
日立研究所の桜 |
大みか町7丁目1番地内 |
21 |
坂下・東小沢地区 |
みなみこうや第2児童公園の桜 |
南高野2町目14番地内 |
22 |
中里地区 |
中里中学校の桜 |
東河内町地内 |
日立市のさくらの現状~日立市とさくらのつながり
さかのぼれば明治末期、日立鉱山が発展していく過程で、銅の精錬から出る煙の中に含まれる亜硫酸ガスによって、近隣の農作物や山々の木々がかれるという社会間題が発生しました。亜硫酸ガスの被害から白然環境と人々の暮らしを守るべく、当時の企業、住民、行政は、ともに煙害に立ち向かったのです。煙害対策の一つとしてとりあげられたさくらの植林事業が発端となり、やがてさくらは、鉱山・日製社宅周辺、学校等にも植えられました。
平和通りは、戦後の戦災都市復興計画により昭和26年全線開通し、「国土緑化運動」の一環として植えられたさくらが契機となり、地元の人たちの協力によって75本のさくらが植栽されました。現在では、115本のさくら並木になって、毎年四月の開花時期には「日立さくらまつり」が開催され、多くの人たちで賑わっています。また、さくらのもう一つの名所であるかみね公園は、昭和28年に「神峰公園整備促進会」が結成され、市民の献木運動と奉仕作業により108本のさくらが植栽されました。その後も市民記念植樹運動等により植栽が進められました。このように市内のいたるところで美しく咲きそろう「さくら」は、工都の歴史とともに先人が残した市民共有の財産であり、次の時代にしっかりと引き継いでいかなければならないのではないでしょうか。
日立市の桜の現状
しかし、「花樹の会」が、平成7年に市街地のさくらの実態調査を実施したところ市内のさくら、14、000本(染井吉野9,500本、山桜2,800本、その他街種の不明なもの1,800本)の内、*天狗巣病にかかっているさくらは、約6,000本におよび全体の42.3%にもなつているとの結果が出ています。特にさくらの名所でもある「かみね公園」「平和通り」のさくらはかなり衰弱しているとのことす。
さくらは、市民共有の財産です。まずは、身近なさくらの木を観察してみてください。天狗巣病にかかっているとしたらその枝を切除しなければなりません。切り口には、細菌の侵入を防ぐための手当をしなければなりません。天狗巣病対策は、「市民」「コミュニテイ」「企業」「ボランテイア団体」「行政」等々が協力しながら地道ではありますが着実に実施していかなければならない事業の一つです。
*天狗巣病…菌の胞子で感染する伝染病。感染すると枝や幹から多数の小枝がほうき状になり、健全な枝より早めに葉が開き、枝には花が咲かない。放置しておくと5~10年以内に枯れるという。 |