日立市パノラマ公園の近くに、昭和50年(1975)から運用されているウルトラライトプレーンの離着陸を主とした飛行場(場外離着陸場)があります。県内では水戸以北地域で唯一の施設であり、防災ヘリコプターや高圧送電線の定期点検ヘリコプターの離着陸にも利用されています。
また、子どもの野外活動(子ども大学講座)や、近くの老人施設の散策時の立ち寄り場所としても提供されています。今回の取材では、「日立フライングクラブ」代表の古川秀康さんにお話をうかがいました。
十王飛行場とも呼ばれているこの施設は、全長約300メートルで、コンクリート部分を除くほとんどが芝生になっています。写真の中央には吹き流しが立ち、飛行場らしい雰囲気が感じられます。

復座(二人乗り)のウルトラライトプレーンです。プロペラを回す動力には2サイクルエンジンが用いられています。主翼は浮力を、尾翼は機体の安定と方向の制御を担うという、簡潔な構造になっています。

ウルトラライトプレーンの格納庫の奥には、クラブ代表の古川さんが会社勤めを始めた頃から28年間楽しんできたラジコンヘリが置かれています。手前には、モーターパラグライダーのプロペラも保存されています。古川さんは自らパラグライダーで空を飛んでいた時期が4年間あり、その間にモーターパラグライダーにも挑戦していたそうです。ウルトラライトプレーンでの飛行は平成13年(2001年)に始められ、これまでの飛行時間は4,500時間を超えるとのことです。
これは、日立フライングクラブの会員が所有する、左右に座席を備えた復座(二人乗り)のウルトラライトプレーンです。 会員数はかつて15名を数えましたが、現在は7名で活動しており、土日に飛行を楽しんでいます。
現代表の古川さんは平成19年(2007年)から2代目としてクラブを率い、開場以来50年間、無事故を継続しています。その功績により、国土交通省航空局からは認定許可期間を1年ごととする優遇措置が取られているそうです。

ウルトラライトプレーンの操縦は、離陸よりも着陸のほうが技術を要するといいます。着陸の際は、地上約5メートルまで機体をやや斜めにして空気抵抗で減速し、高度5メートルで機体を水平に戻してから、地上約1メートルを保って滑空しながら着陸するのだそうです。

写真は、山々に囲まれた十王飛行場(場外離着陸場)を上空から撮影したものです。中央の矩形部分はコンクリートで舗装されており、ヘリコプターの離着陸に使用されています。ウルトラライトプレーンは、離陸時も着陸時も、常に向かい風に向かって飛行します。
日立市十王町にあるパノラマ公園です。園内にはソメイヨシノやヤマザクラなど約400本の桜が植えられており、年によってはほぼ同時に咲きそろうこともあります。その時に上空から眺める景色は、まさに見事だといいます。写真の手前中央に見えるのはUFO型展望台で、その先に噴水のある十王ダム湖が広がっています。
書物やテレビで見る風景とは異なり、上空から眺める景色は格別に素晴らしいと代表の古川さんはいいます。 特に、日立市の会瀬の海から北茨城市の五浦海岸まで続く波打ち際がエメラルドグリーンに染まることがあり、その美しさは見事だそうです。
写真は鵜の岬上空から撮影したもので、右側には海蝕によってできた小貝ヶ浜の「馬の足跡」が見えます。
飛行場内には、掲載写真の2機のほかに5機の機体があり、いずれも実際の飛行機や戦闘機を思わせる形をしています。ほかにもモーターパラグライダーなどが格納されています。
休日、特に日曜日に訪れると、これらを間近で見学したり、直接触れたりすることができるそうです。 日立市内に、実機の飛行機に触れられる場所があることを、ぜひ多くの方、特に小さなお子さんたちに知ってもらいたいと古川さんは話していました。
(掲載写真:前半3枚=今回の取材、後半5枚=古川さん撮影)