金砂神社大祭礼の石名坂休憩所の榎 

昭和6年の榎

現在の榎(ふるさと再発見ウォーク)

  金砂神社(久慈郡金砂郷町)の水木浜への磯出祭が金砂神社の大祭礼で、大田楽大祭とも言っている。この大祭礼は、仁寿元年(851年)に始まり、以降73年目毎に執行され、昭和6年(1931年)3月、第16回大祭礼が行われた。
 その時の金砂神社の神輿の石名坂休憩所は、その安置台として、大榎の切株を台に利用された。 現在の榎は、その年に切り倒した大榎の跡へ植えたものである。 第17回の大祭は、平成15年(2003年)になる。
 

郷倉(ごうくら)跡地

 石名坂村の郷倉は、金砂神社ゆかりの大榎の南側にあった。 郷倉は、江戸時代、飢饉に備えて「備荒貯穀」用として、また「年貢米」保管用として建てた蔵の名である。その郷倉にも、藩営的性格を有するものや村営的性格をもつものがあった。また村営的性格の中でも、村の祭礼や神社維持のための穀類を保存する目的で作られた郷倉もあった。これを「社倉」ともよんでいる。

石名坂公会場(公会堂) 

石名坂公会場

  郷倉跡地に、石名坂公会場がある。故老の話によると『昭和6年、金砂神社大田楽祭の折、切り倒した大榎の材で、シャモヂ、シル汲ミ、麺板、麺棒等の日常生活用品をつくり、記念品として、おわけした。その時の益金を使って、昭和8年、郷倉跡地に公会堂を建てた』とされている。
  昭和20年以降は、石名坂地域公民館、石名坂老人会館等の名称もあるが、石名坂地域住民の人々は、現在でも「公会堂」「公会場」とよぶ人も多い。