日本の発電エネルギー主役変遷を思う

大越 健児
平成29年12月
 電気事業連合会等の資料によると、日本の電力は1911年(明治44年)以前は小規模な火力発電所が主体であったが、その後水力発電所が増加し1962年(昭和37年)までは所謂水主火従の時代であった。
 石油火力の拡大、石油危機後のLNG火力、石炭火力の拡大等により、1963年以降は火主水従の時代になった。1966年からは原子力発電が実用化され、原子力発電がベースロードを担い、火力、水力発電との「ベストミックス」が謳われるようになった。
 処が2011年3月、東日本大震災時の福島第一原子力発電所の事故により、日本の原子力発電はほぼストップし、現在は再生可能エネルギーの普及などもあ り、「スマートミックス」時代と言われている。経済や社会の情勢変化に応じ、臨機応変に電力構成を対応させて行くということと理解しているが、かなり不安 定な流動的状態と思われる。
 
 最近電気自動車が脚光を浴びている。これが普及して行くと電力需要が急速に伸びることが予想される。それに対応し、日本の発電エネルギーを何に求めて行くのか心配される次第である。
 1970年代に、水素エネルギー時代到来の構想があったと記憶する。南アメリカやアフリカの大水力を利用した電力により水素を生成し、これを全世界的に流通させてエネルギー源にするというものであったと思う。このような形に少しずつでも近づいて行くことを期待している。