赤羽横穴墓群 (日立市久慈町5丁目) 

 

 南高野史跡公園から、住宅地を通って「赤羽緑地/自然観察ふれあい公園」に入った。この公園は、昨年4月にオープンし、その後も整備が続けられている。場所は、日立電鉄線久慈浜駅の西に位置し、JR常磐線から山側に公園を一望できる。公園には、観察池、案内板、散策路、木橋、ベンチ、東屋、野鳥観察場などがある。 赤羽横穴墓群は、公園の北側の斜面に掘られ、百基以上の横穴墓があるという。斜面は、4つの丘陵として指状に分かれており、奥からABCDと名が付けられている。 

赤羽緑地/自然観察ふれあい公園

高さ3mの国内最大級の横穴墓
 今回見学したのは、B支丘一号墓で、横穴の内部の幅3.9m、奥行き5.5m、高さ3.0mもあって、国内最大級の大きさである。内部の左側壁は、単純な円弧で天井に続いているのでなく、ゲージを当てたような曲面に削られている。右側の壁は、近代になってから拡張されたものか、荒削りの面になっている。 昭和51年の発掘調査で、そこから冠の飾り金具、大刀、弓、鉄鏃(やじり)、武具、馬具ほかが見つかっている。これら副葬品は、日立市郷土博物館に展示されている。  この横穴墓は、今から1400年くらい前のもので、副葬品から地域の有力者でなく、大和王権とかかわりのあった官人のお墓だったのではないかといわれている。
【Q&A】

Q:敷石はどこの横穴墓にもあるのか。

A:敷石は排水の目的もあるが、どの横穴墓にもあるわけではない。今までのところ、敷石がある場合が多かった。 敷石に青色の石を使い、きれいにならべたものもある。

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