大久保ささら 
 大久保ささらは地元で「上孫ささら」と言われ、旧大久保村の上孫地区に伝承されてきたものです。大久保ささらは、大久保鹿島神社の出社の際、露払いとして神輿の先導をしていましたが、大正15年以来大久保神社の出社が無く、ささら奉納の機会が絶えていました。これを憂えた上孫地区の氏子達は、宮参りとして称して幾度か練習を続けてきました。さらに、昭和38年には上孫散々楽保存会が結成され、ささらの継承保存が図られてきました。
 大久保ささらは、日立さくらまつりで2年前の平成28年に出演しましたが、次回は5年後の予定となります。年に一度の大久保ささらの笛練習があると聞き、3日連続の初日に練習に当てられる個人のお宅へ取材に伺いました。
              ・期日  平成30年7月27日(金)
              ・場所  個人宅(日立市桜川町)
              ・取材  きららホームページの会(内藤達郎、宇梶秀夫) 

上孫散々楽と書かれた箱に載った3つの獅子頭と、左端には「ざい」と呼ばれる豆太鼓を列べた部屋で、笛の練習が始まりました。獅子頭は桐製黒漆塗りです。

上孫地区の40軒のほとんどの家に笛があり、本日の笛の練習に15名ほどが参加していました。壁に貼った特製の譜面を見ながら笛の音を合わせていました。
【特徴】
 大久保ささらの舞の動きは比較的静かで、素朴さが特色です。日立市のささらの前立ち役「しゃぐま」は、大久保ささらでは「ざい振り」と呼び、左手に長柄の豆太鼓「ざい」、右手に短い錫杖を持ちます。  
【舞の内容】
 表庭 
  (1)摺り込み
  (2)庭見
  (3)鈴さがし
  (4)歌舞い
  (5)ほまぢ
  (6)獅子の入羽
  (7)まめいり
  (8)廻れや車
  (9)弁歌踊(はんがや)
  (10)獅子のおどし
  (11)獅子喰
  (12)獅子の仲直り
 
 裏庭
  (1)摺り込み
  (2)庭見
  (3)鈴さがし
  (4)歌舞い
  (5)獅子の入羽
  (6)唐土の女
  (7)獅子の居眠り
  (8)獅子のたわむれ
  (9)獅子喰い
  (10)獅子の仲直り
   
     所要時間約40分
【課題】
 ささらは、獅子役の3人は12,3歳、ざい振りの2人は8歳前後のいずれも男の子がつとめる伝承でしたが、最近の子どもの数から、女の子にもお願いするようにもなりました。上孫散々楽保存会には上孫地区だけでなく、周辺の地区からも参加されるのも一つかなとの印象を受けました。今回の笛の練習に、2年前のさくらまつりに出演したざい振りの子ども達が参加されていました。地域の多くの人達に関心を持って貰えることが大事だと感じました。 
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