成沢ささら(Q&A)


 Q 成沢ささらとは?
  A  何年かに1度の鹿島神社の大祭出社のほか、大祭に準ずる出社(おおむね3年に一度行われる準出社)の折に、露払いとして供奉する獅子舞で、成沢鹿島神社佐々羅と称する。

 昭和12年(1837年)に大祭が行われて以来、出社祭典がなく、そのためささらも長い間中絶したいたが、関係者の熱意と努力によって、昭和41年(1966年)4月、29年ぶりに復活し、鹿島神宮式年御船祭にも奉仕した。また、選ばれてNHK芸能百選に出演したこともある。 ※2

 成沢佐々羅は、昭和46年7月19日に、茨城県の無形文化財に指定された。

 舞の特徴は、他のささらと比べて勇壮活発であると言われるが、優雅であると評する人もいる。



 Q 渡御の道順とささらを摺る場所
  A   
  場    所  内    容 
(1)  鹿島神社斎庭  すり込み3回と一庭
(2)  天神森(成沢公民館脇)  半庭
(3)  相川浜  潮垢離(しおごり)、一庭
(4)  戸崎(東成沢幼稚園)  半庭
(5)  成沢小学校前庭  一庭
(6)  上町(日立工業専修学校前)  半庭
(7)  上の内(山の神)  半庭
(8)  鹿島神社斎庭  すり込み3回




 Q 成沢ささらを舞う子ども
 A  大獅子(おおじし)1人、中獅子(中じし)1人、雌獅子(めじし)1人、しゃぐま3人の6人で舞う。

 獅子役は小学5、6年生の少年、しゃぐまには小学2、3年生の男児が選ばれて奉仕するのが通例である。
 しかし、近年は、少子化のため、舞子をみつけるのが大変になっている。
 そのため、しゃぐまに女児が選ばれる場合もある。

 子どもが獅子やしゃぐまに奉仕する家では、ささらの練習開始から祭りが終わるまで、門口に
 注連縄(しめなわ)を張って、家の者も精進潔斎(しょうじんけっさい)する。



 Q 成沢ささらの演舞の手順
  A
  名    称 内      容
(1)  渡り(わたり)  渡りは神様が渡御(とぎょ)、御出ましするの意味です。歩きながらの舞いですので、笛もゆっくりです。
(2)  すり込み(すりこみ) すり込みは神様が上奏文を伝達する意味です。勢いよく神様に向かっての舞いですので、笛も力をいれて吹かれます。
(3)  すりがかり 今から獅子舞い(ししまい)を始めますとの意味です。
(4)  舞うどころ(もうどころ) 大獅子・中獅子・雌獅子が、荒々しく巌穴(がんけつ)より出たり入ったりして荒れ狂うさまを表しています。
(5)  うた 神様に対し敬神の意を表しています。頭を地面に着くくらいまで下げる舞い(七回)です。このときの笛は代表一人(役笛)だけが吹きます。
(6)  岡崎(おかざき) けがなどがなく、穀物の収穫がたくさんあるように、神様にお願いする舞いです。岡は、小山・山の瀬・小高い所の意。埼は、険しい・山の険しさの意。
(7)  雌獅子かくし
(めじしかくし)
大獅子・中獅子が、それぞれに雌獅子を愛し競って口説こうとしますが口説けず、しゃぐまの仲介により仲良くなるといった舞いです。世の中は、すべて話し合いにより争いのないようにと願う舞いです。
(8)  まあまあくるま 年によって豊年もあれば、凶年もありますが、村人はいつも豊年で泰平であってほしいと願う、廻りながらの舞です。
(9)  うた 前述の(5)に同じ
(10)  とうどのめ 村人は、顔や姿はみな異なりますが、神様に捧げる気持ちはみな同じで泰平を祈る舞です。

    (1)から(4)と(10)を前庭(まえにわ)、半庭(はんにわ)という。
    (1)から(10)を、一庭(ひとにわ)という。一庭摺るのに、約40分かかる。 ※1

    (4)の「舞うどころ」で、 しゃぐまは、雌獅子が太鼓をかかえて前へ出るとき、
     「おさめて持ってこい、持ってこい」とかけ声をかける。
      また、雌獅子が後退するとき、「おさめて持ちこめ、持ちこめ」とかけ声をかける。 ※2



 Q 成沢ささらの獅子頭の見分け方
  A  獅子頭は黒漆塗で、頭部には鶏の黒く長い羽根(軍鶏の羽)を後のなびかせ、黒獅子さながらである。
 大獅子は金歯、中獅子は銀歯、雌獅子はお歯黒を塗っているので、歯の色で見分けることができる。



 Q 成沢ささらの衣装と持ち物
  A  
 獅子の衣装  こうがけは、紺地に大柄の唐草模様を白く染め抜き、顔の部分は白の麻地である。
 紺絣(こんかすり)の着物に、唐草模様のかるさん(細身の袴)をはく。
 
手にはあさぎ色の手甲(てっこう)をはめ、胸につるした太鼓(かっこともいう)をばちでうつ。

 足には白足袋をはき、わらじをはく。

 しゃぐまの衣装  華やかである。花模様で裾に綿を入れた羽二重の着物、裾回し赤、下着の裾のうこん色(濃い黄色)がのぞく。

 襟は黒襟、黒繻子の袋帯をしめる。帯の端に鈴をつける。
 上着の袖は広口で黒の縁。あさぎ、赤、うこん、桃色の4本のたすきを掛ける。

 頭には赤い縁とりのあるあさぎ色(薄い藍色)の頭巾をかぶる。
 縁とりの左右に紫色の房が垂れ、これに鈴がついている。

 着物の下には、緞子(どんす)の前掛けをつける。

 あさぎ色の脚絆に白足袋、わらじばき。手には赤の縁とりのあるあさぎ色の手甲(てっこう)をはめ、右手に錫杖(しゃくじょう)、左肩に豆太鼓をかつぐ。

 豆太鼓の両面には、左三つ巴紋が白抜きに描かれ、周りを華やかな色紙で飾る。
 柄の先端に幣(ぬさ)と麻を垂らす。

※2

 
 Q 成沢ささらの伝承の仕組み
  A  舞の伝承は、諏訪ささら保存会が中心になって、行っている。

 獅子舞としゃぐま舞を1人の指導者が、熱心に指導している。
 また、今までの経験者も練習場所に顔を出し、指導者を手伝っている。
 


 Q 成沢ささらの練習場所と期間は?
  A  練習場所は、成沢鹿島神社の社務所である。
 祭典委員が、子どもたちの送迎や、練習会場の準備等を行う。

 1月中旬~4月上旬までの期間は、週に4日程度の練習を行う。その後、さくらまつりで演舞を行う。
 さくらまつり後は、週に2~3日の練習を行い、5月の準出社の際は、7か所でささらを摺る。

 古い太鼓、豆太鼓、錫杖があるので、それらを練習用にしているが、獅子頭だけは、本番用しかないので、取り扱いに注意して使用している。



 Q 成沢ささらの構成
  A  大獅子、中獅子と呼ばれる雄獅子2頭と雌獅子1頭、さらに、しゃぐまと呼ばれる女装の童子3人、笛、警護などから成る。

 笛は10数人で吹くが、この中に役笛が一人いて、責任を持つ笛を吹く(『うた』のとき)。 ※2



 Q 成沢ささらの保存会
  A  正式名称は、成沢郷土芸能保存会と称する。



 Q 成沢ささらの獅子頭等の保存は?
  A  獅子頭は、通常は専用の桐の箱に入れて保管している。また、年1回、郷土博物館で燻蒸を行っている。

 獅子の頭部の用いる軍鶏の羽は、1本数千円するほど高価なもののため、折れたり抜けたりしないように大切に取り扱われている。



 
 
 
 
 ※1 出典 『御鎮座千二百年記念 成沢鹿島神社誌』より
 ※2 出典 『日立市の文化財』記念図書館蔵より
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